11 ビドヨ





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「タクトフービか 」

ダラギャは気力を振り絞り言った

「タクトフービ
状況が解ってないのは俺も同じだが おまえの状況が不利だということは…おまえにも
解るだろ?」

対してタクトフービは爽やかな笑顔を輝かせながら

「ダラギャくん
普段のダラギャくんなら
そのような前置きなど必要とせず
無言で襲い掛かり 奪ってしまう…はずだが?この馬の如き物体…欲しいと思ってたはずだが?
奪ってみるかね?」

確かに普段のおれじゃない
気圧されているようだ
タクトフービ、あまりにも情報不足…というより…この男の情報量の深さ、膨大さに圧倒されている…と
ダラギャが考えているとタクトフービは

「ダラギャくん、意外と鋭い思考をするようだね
たしかにきみは私の情報量の深さ膨大さに圧倒されて
いるに違いない 」



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「心を読みやがるのか… 」

ダラギャは好奇心旺盛だからタクトフービの話には興味があった

だが
心を読む相手には
好奇心や迷いは禁物だ
と判断した

そして決断した
決断したらダラギャの動きに迷いはない
真っ直ぐに一直線にタクトフービに向かって駆けた

まだ負けたことはない

真っ直ぐに剣をタクトフービの中心へと突き出した

最初の何の迷いもない真っ直ぐな突きはたとえかわされたとしてもかわすことによる隙が生じる

連続した攻撃には絶対の自信がある

タクトフービはダラギャの突きを棒のような物で横に流した

タクトフービの重心に乱れは少しも生じなかった



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ダラギャの渾身の剣を棒のような物で受け流すと同時に

タクトフービは長い腕を鞭のようにしならせてダラギャの顎を拳で打った

どんな攻撃も紙一重でかわせるはずのダラギャであるが
タクトフービの速さは予測をはるかに越えていた

拳はダラギャの顎をかすかにとらえた

かすかな接点から爆発するような衝撃が発生した

気を頭に送り
痛さを遮断した

痛さが押し寄せると体の均衡を完全に崩してしまう

ダラギャの顎にタクトフービの拳が触れている瞬間に
すでにビドヨがタクトフービの左脇腹に蹴りを放っていた